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「家族や自分を守るために、体験を通し災害を自分事へ」消防局防災研修センター

まちのあれこれ

今回は、薩摩川内市消防局1階の「消防局防災研修センター」へお伺いしました。



設立10年目、来館者数5万人を超える
鹿児島県内で唯一の、体験型「防災研修センター」。
地震・暴風雨・火災時の煙の体験に加えて、消火器使用の体験も。
防災の学びと共に、実際に体感することでより防災意識を高めている。

県内唯一の、体験型防災施設

9月は防災月間でした。
直近では、台風や地震等で大変な状況になられた方も多くいらっしゃったかと思います。
わたしたちにできる防災は、どんなことだろう?
今回は、体験しながら学び・備える行動へつなげてくれる「消防局防災研修センター」の田中さんにお話をお伺いしました。


ここは、実際の地震や暴風雨など体験できる施設でありながらも、知識としても多く学んでいただける防災施設です。
地域の方々や園児・学生等、団体でお越しいただいたり、ご友人やご家族づれでお越しになる方々も多くいらっしゃいます。

特に、今年は地震や台風が身近で起こったこともあり、防災意識が高まっている傾向を肌で感じています。
「防災グッズは何を準備すれば良いのか?」
「”備え”と言葉では分かっていても、どう行動して良いか分からない」
こういったお声をいただくことも多いですが、お帰りになる頃には「とても勉強になった!」と、自宅での行動や備えを具体的にお話しいただく方もいらっしゃいます。


▲見学に来られていた聖母幼稚園のみなさん

体験、そして災害を自分ごとへ

4か所の体験コーナーから、まずは地震の体験。
地震が起こるメカニズムから、地震の種類。そして、模型を使って分かりやすく「なぜ地面が揺れるのか?」を教えてくださいました。



活断層や南海トラフの仕組み等、お住まいの県によって異なります。
海岸沿いの県なのか?活断層に近い県なのか?この仕組みは、ぜひともご来館いただいた際に、この模型を見て質問していただきたいですね。


▲家が揺れる仕組みをご説明いただいた模型

では、まず地震コーナーをご体験いただきます。
震度0~7までの震度をご体験いただいたあと、今年の元旦に被災された能登半島地震の震度を、再現いたします。


震度を体験している間、実際に被害にあわれた方々の状況をマイクでご説明いただきました。

これほどの大きな揺れで、冷静にしていることは到底難しい状況。
私は目の前のバーを力強く握りしめ、被害にあわれた方々の状況を想像しながら、胸が苦しくなりました。


地震は突然。台風は動きが分かる

地震の体験後、突然起きる災害だからこそ「事前の備えが必要」という点を教えていただきました。


例えば、タンスや棚などの近くで就寝される際は、必ず倒れてこないように天井等と固定する。もしくは、その近辺ではなく、倒れてくる物がない部屋で就寝される。
あとは、家族とどの手段で安否確認するか?など連絡手段や、仕事中や自宅にいる際の避難所の確認・共有はとても大切です。

そして、進路がわかる災害が台風です。
次は暴風雨の体験コーナーですが、先日の台風に近い風速で、最大瞬間風速30mを体験いただきます。
暴風だけの体験も可能ですが、消毒済のカッパや雨靴・ゴーグルも準備しておりますので、暴風雨の体験も可能です。
(タオルも常備しています)

体験中、手を離すことは危険と体が認知してか…顔を上げることもできず、ただただ叫ぶことしかできませんでした。
台風時、不要不急の外出をしないことはもちろんですが「外の様子を見に行く」ことが、いかに危険か…身をもって体感しました。


▲暴風雨体験中の様子

火事は、即行動。が大切

火事を発見したら「火事だー火事だー」と叫びます。
そして、日本では消火器使用時、3つの動作を覚えていただくと安心です。

①ピンを外す→②ホースを伸ばす→③レバーを引く

この動作と共に、今から行う消火器体験で「どこへ消火器のホースを向ければ良いか?」を知っていただくことで、火事を最小限に抑えることができます。

実際に体験しましたが、慌ててしまい結局は消火できない結果となり…
「実際に燃えている物・場所」に消火器のホースを向ける重要性を感じました。


▲プロの田中さんによる消火

実際に火事になった際、移動の注意点を知っていただくために、煙の体験コーナーがございます。
子どもたちは、学校や保育園等で避難訓練が定期的に実施されております。そのため、実は大人の方々の方が火事の際、慌ててしまうことが多いと伺います。

「おはしも」
この言葉をご存知でしょうか?
おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない

煙は軽いため、上にあがっていきます。
有毒ガス等も発生する場合がありますので、必ず腰を低くし、可能であればハンカチや洋服等、フィルターを通しながら呼吸をしてください。


煙が充満している状況の際は、階段のくぼみの部分にきれいな空気が残っている場合もあるため、そこで呼吸をすると良いそうです。とても勉強になりました。


▲火災時、移動を想像しやすく作られた、通路型の体験コーナー

この体験を
日々の生活に、どう活かすか?

「地震が怖かった」や「すごい風だった」と、体感いただくことももちろん良いのですが…
やはり、その後の行動がとても重要かと思っております。

防災グッズを準備してみよう!
火災報知器は、10年経過していないかな?
など、ぜひご家族やご友人・職場の方々と防災についてお話しいただき、防災でわからないことは質問がてら、ぜひ足をお運びいただけると嬉しいです。


知っているだけで、守ることができる人や物があります。
自分事として、一緒に備えをしてみませんか?


取材・執筆:Mailer


▲必要な防災グッズの展示


名称
消防局防災研修センター
所在地

〒895-0072

鹿児島県薩摩川内市中郷町5031番地1

電話番号
0996-22-0119
営業時間
午前9時~午後5時(入館は午後4時まで)
定休日
毎週月曜日 (ただし、国民の休日にあたる場合は、その翌日)

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