薪窯で焼く本格的なピザが食べられるとセンノオトでも話題沸騰中のキッチンカー。
PIZZERIA 「La Cittá」(ラチッタ) 店主の三笘和朗さんにお話を伺いました。

三笘　和朗（ミトマ　カズアキ）さん
薩摩川内市出身
高校卒業後工学系の大学に進学。在学中に携わったアルバイトの経験から接客の魅力に目覚める。
大学卒業後、企業への就職を経て薩摩川内市にUターン 。飲食店での勤務経験を機にイタリアンそして薪窯で焼くピザの世界に出会う。その魅力を伝えるべく薪窯ピザ専門のキッチンカー出店を決意。

自分だけのオリジナル空間で、人と接する仕事がしたい

以前は工学系の大学に進学し、卒業後は建設関係の仕事をしていました。
仕事に打ち込む中でモノと向き合う時間よりも、人と接する時間に楽しさを感じていることに気づき

それからは仕事を辞め、地元へ帰り飲食とアパレルのアルバイトをしていました。

そうして過ごすうちに、いつしか
”仲間や友人、家族、大切な人達と集まれる場所を作りたい。”という思いが浮かぶようになりました。

それが後の飲食店経営を志すきっかけに。

石窯ピザの魅力に気づいたのは鹿児島市内で開催されている「ナポリ祭」でのことです。

当時勤務していた飲食店の繋がりで出店を手伝う機会があり、ドリンクを担当していた私は調理場が一望出来る場所で注文を取り作業をしていました。
生地を取り出す人、伸ばす人、具をトッピングする人、焼き上げる人、完全分業制で次から次へと形を変え焼き上げられていくピザの数々。その日に焼かれたピザの枚数は約1,500枚！

注文を受けてからピザが焼き上がるまでの工程を目の当たりにし、見ているだけでこんなにワクワクする食べ物は他に無いと思いました。

ピザが出来上がるまでの”ライブ感”を

注文から出来上がりまで、待っている時間もワクワクしてほしいです。

キッチンカーにはピザが焼き上がるまでの様子が外から見られるよう、石窯の内部が見える位置にカメラを設置。
キッチンカー側面のモニターからその様子をリアルタイムで流しています。

また、出店の際は妻や姉、友人が時間の合う時に手伝ってくれています。

自分の家族や昔なじみの友人と一緒に仕事をする日が来るなんて、想像もしていませんでしたが
これも自分の店ならでは。改めて”つながり”の大切さを実感しています。

キッチンカー「PIZZERIA La Cittá」が出店できるのは周囲の人の協力があってこそ。
支えてくれる皆さんに本当に感謝しています。

店名「La Cittá（ラ チッタ）」に込められた思い

店名に含まれている「Cittá(チッタ)」には”街”という意味があります。
多様な人が存在する”街”のように。大人も子供もお年寄りの方も、休日のひと時や仕事の休憩時間にでも。
お客さんそれぞれの楽しみ方でピザを食べてもらいたい。
そんな思いでつけた名前です。

センノオトには学生や家族、仕事をしにくる方、多様な方が日々来館していて描いていた光景を見られるんじゃないかと思い、出店しました。

”店にピザを食べにいく文化”に親しんでもらいたい

飲食店時代の経験や、出店しながらも感じるのですが、
薩摩川内市ではそもそも店にピザを食べに行くという習慣が少ないのかもしれません。

ピザの本場、イタリアでは短パン姿のご老人が散歩ついでにピザを頬張る傍ら、
かっちりとしたスーツを身にまとったいかにもビジネスマン風の青年が仕事の片手間にピザで腹ごしらえをする光景が一つの場所に共存しています。

キッチンカーで回ることで、薩摩川内市でもそんな文化に親しんでもらえたらと思っています。
長くたくさんの人に親しんでほしいからこそ、当店のピザは具材から生地に至るまですべて無添加。
デリバリーや市販のものでは味わえない美味しさを感じてほしいです。—―——―——―—

「自分は人に恵まれました！」と笑顔でお話しくださった三笘さん。
その物腰の柔らかさと飾らない人柄から、人を惹きつける魅力と才能の持ち主であることが分かります。

慌ただしい日常の中で、ほっと一息。１枚のピザから生まれるそれぞれのストーリー。

薪窯の香ばしい薫りが煙と共に、今日もどこかで立ち昇っています。

取材・執筆：gaishii