開館時間

アクセス
インスタグラム

まちのオト

「こだわりをシンプルに。求められることへ応える自分に」のせ菓楽 小城 吉輝さん

まちのあれこれ

今回は、薩摩川内市隈之城に所在する「のせ菓楽」の 小城吉輝さんへお話を伺いました。



のせ菓楽(小城製粉株式会社 取締役 お客様担当) 小城 吉輝さん

創業112年の、小城製粉株式会社
ドイツのハンブルクに、現地子会社「KOMEKO社」を設立
ドイツではまだ、スタートしていなかった”グルテンフリー”を確立

また、県内の菓子工業組合や洋菓子協会など作り手と経営の知識と経験を活かし、運営側としても奮闘している

お菓子の工場内は、米粉のみで安心

川内小学校前を通り、隈之城方面へ車を走らせること5分。
目を引く「のせ」の文字が目立つ、白い建物が見えてまいります。
晴れている日は、のせ菓楽キャラクター「たのかんさぁ」のタペストリーもお目見え。


もともとは、製粉工場と菓子工場と別々で運営しておりましたが、祖父母が結婚し、父の代で共に運営することとなりました。
以前は、現在の「相互信用金庫」さんの場所に在りまして、約20年前に現在の地に移転しました。

鹿児島の郷土菓子は、ルーツとして島津家が集成館事業でお米を作る事業があったこともあり、ほぼ米粉を使用しています。
そのこともあり、15年ほど前に、製粉工場で製粉した”米粉のみのお菓子”を販売することとなりました。

当時はまだ少なかった、米粉オンリーのお菓子屋さん
製造にあたり、ご苦労も多かったそうです。


製粉工場とともに菓子店を営んでいる企業も多くなかったため、今の店舗に移転した数年後に、米粉のみを使用する菓子店として新たにスタートしました。
当時は、まだ米粉のみ使用した菓子店は少なく最初のころは、粉の触感や粉の扱いが変わったことで、職人は悪戦苦闘している状況でした。

しかし、お客様の声をいただきながら、我々もその声に真摯に向き合い、現在のスタイルが定着してきたと実感しています。


▲白で統一された店内。店内から工場の様子も見学できます

郷土菓子の文化を、子どもたちへ

目を引く石蔵が店舗隣にあり、店内でお召し上がりいただくことも可能
そんなステキな石蔵で11月初旬頃まで、かき氷もお召し上がりいただけるそうです。


この石蔵は、以前別の場所にあった米蔵として利用されていたものを、解体し耐震強化のためリノベーションしました。
8月には夏祭りも開催し、お子様連れの方々にとても喜んでいただけました。

郷土菓子を製造する中で形が崩れた商品を、フードバンクを通じてこども食堂へ寄付されているそう

子どもたちが、郷土菓子に触れることは年々少なくなっていると実感しています。
子どもたちに食べてもらうことで、家族との会話が生まれ、郷土菓子を身近に親しんでもらうきっかけになればと思っています。


▲湯気がたつ、郷土菓子かるかん。


▲おうちで簡単にかるかんが作れる、ミックス粉

ドイツでの経験と「今」

ドイツの現地子会社「KOMEKO社」を軌道に乗せ、昨年薩摩川内市へ戻ってまいりました。
ドイツでの暮らしは、言語が通じなくても、どうにかコミュニケーションでやり取りをすることができ、現地にお住まいの日本人の方々にも多く助けていただきました。

現地に住むことにより、住環境などの違いから、学んだ点が多かったとか。

行く前は、職人気質であれもこれもしたいというような状況でした。
しかし「できないことを認める」ということを、ドイツで体感し、自分が全てしなくても、他の人にしていただきサポートに徹することを一番に学びました。

人をコントロールするのではなく、促す。
自分の思い通りにならなくても、70点で良いんだと思えるようになりました。

今年行われた全国菓子大博覧会では、お店のスタッフの皆さんが一から製造し、5つの受賞をいただき、大きな自信へとつながったそうです。


▲中小企業庁長官賞を受賞(2025年度)

若い人材を育てる使命

最後に、これからの未来についてお話を伺いました。

今の、自分にできることは「スタッフを自分なりのカラーに育てる」こと
これは実験段階ではありますが、手取り足取り教えるのではなく、ある程度の自由度を高め、挑戦できる職場環境に努めております。

スタッフの平均年齢は、20代前半です。
私もお菓子職人ではありますが、その職人のこだわりをお客様が求めているとも限りません。
若いスタッフの皆さんが、アンテナを張り、時にはお客様とお話ししながら、お客様が求めているものに合わせていく。

挑戦し、失敗する。この環境を、今の若い時期にたくさん行ってほしいという想いです。

小城さん自身この挑戦をしながらも、スタッフの皆さんがこの環境を求めていなければ・・・また、それに合わせて変化しますよ。と、笑顔で教えてくださいました。
これからの未来をつくる、新たな試みにこちらもワクワクをいただきました!



取材・執筆:Mailer





名称
のせ菓楽
所在地

〒895-0041

鹿児島県薩摩川内市隈之城町1892

電話番号
0996-22-3447
営業時間
9:30~17:30
定休日
水・日曜日・祝日(ただし菓子に纏わる祝日は営業)

シェアする

この記事から近いスポット

近くの記事はありませんでした。