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「処方箋がなくても、話したり相談できる場づくり」くじゃく薬局 丸田 沙生さん

まちのあれこれ

今回は、薩摩川内市御陵下に所在する「くじゃく薬局」の 丸田 沙生さんへお話を伺いました。



くじゃく薬局 薬剤師 丸田 沙生さん
川内薬剤師会理事・鹿児島県薬剤師連盟副会長
鹿児島市動物愛護推進協議会委員

鹿児島市から薩摩川内市へ拠点を移し、令和元年に開業
来局された方が、どんなことでもお話しやすい空間づくりを心掛け運営を行う

その他、動物愛護の啓発活動や女性の健康課題についての講話・まちの保健室など多岐にわたり地域活動を行う



患者さんの日々に向き合う薬局

国道三号線沿い、有村眼科さんの奥に所在する「くじゃく薬局」
筆者の知っている薬局とは少し違う心地よい雰囲気を感じる局内


開業時、何よりも、薬局の空間づくりに力を注ぎました。
薬局は、処方箋に忠実にお薬を作るのが仕事なためどうしても``受け身``の存在になりがちです。

もちろん、それも大切なお仕事なのですが、
それ以上にもっと患者さんが悩まれていることを少しでもこの空間でお話ししたり、リラックスしていただいたりと
心が少しでも穏やかになるような空間がと良いなと感じていました。

丸田さんの飾らない笑顔に、ついついこちらも本音で悩みを吐露してしまう
お話し始めてものの数分で、そんな魅力を感じました。


▲丸田さんとくじゃく薬局を表現した、鹿児島の切り絵作家 黒丸玲奈さんの作品

心や体の健康を相談できる、場づくり

もともと、鹿児島市で薬剤師として勤務していたので薩摩川内市で開業するにあたり、当初は不安もありました。
しかし、薩摩川内市の皆さまと接する中で、市民の皆さまが私たちと心の通うコミュニケーションをとってくださりました。

そんな皆さまの期待に応え、恩返しをしたいという気持ちで運営しています。
最近は、薬局で患者さんとお話をする中で、女性の健康課題や買い物に行く大変さなど、お薬以外のお話をすることが増えてきました。

そこで、自分には何ができるだろう?と考え、
地域の皆さまが、気軽に心や体の健康について相談できる場所「健康教室」というをはじめてみよう!と思い、まずは8月に開催を予定しております。

薬局内には、お薬に関する商品以外にもドリップ珈琲やハーブティー、女性用のボディケア商品も取り扱う

商品を通じて、お話するをするきっかけになることもあります。
なかなか友人や家族に相談できないことも、私たちのような専門家と話すことで、解決の糸口になればと思っています。


▲ついつい手に取りたくなる商品がズラリ。

タブー視されがちなことを、きちんと話す

女性の健康課題についても、様々なシーンでお話をされている丸田さん
昨年6月に主催されたイベント「くじゃくマルシェ」でも多くの反響があったそうです



初めての開催だったのですが、400名近くの方々にご来場いただきました。

ご来場いただく方々には、とにかく‘‘癒し‘‘を感じてほしい
そして、皆さんの『ヘルスリテラシー』を高めたい

その一心で、頑張りました。
実行委員会などを発足はしておりませんでしたので、ひとりで全部切り盛りしたことは、大きな反省点でした笑


なかなか聞きなれない『ヘルスリテラシー』とは「健康や医療に関する集めた情報を正しく理解し、自分の健康状態や状況に合わせて活用する能力」のこと
昨今では、病気や健康に関する不安もインターネットで調べることができる時代となり、それが‘‘壁‘‘と感じることもあるそう


気軽に検索できるからこそ、ネットの情報は便利なアイテムではあるのですが

実際、人間の体や心は一人ひとり違います。
検索結果は、統計的な答えとなりますので、個々の体と心にはフィットしない知識となる場合が多くあります。

昨年のくじゃくマルシェでは避妊に失敗した場合等の望まない妊娠を防ぐために服用する「緊急避妊薬」についてお話をしました。

「こんなこと恥ずかしくて喋ったらいけないのでは・・・?」

そう感じられる方も多いかと思いますが、実際にお困りになっている女性の方は多くいらっしゃいます。
この場合、一番に苦しむのは女性です。また、妊娠できるのだろうか?誰に相談すれば良いのか?

その際に、緊急避妊薬のことを知っていれば、少しでも状況は変わるかと思います。
「心配なことがあったら、くじゃく薬局へ相談できるんだ」そう思っていただく発信を、続けたいと考えています。


抗わずに、共存する

さいごに、今後の想いについてお伺いしました

大学生と一緒にトークディスカッションであったり、地域の方々との小さな場づくりを広げていきたいと考えています。
子どもたちは、学校で多くを学びますが、大人は学ぶ機会が少なく。いろいろな方々の考えや、想いを尊重する場となると良いなと妄想しております。

当たり前ですが、私たちは歳を重ねていきます。
その中で、更年期と子育てと介護がトリプルで重なる方も多く。その時に、抗わずに共存できるような『選択肢』があることを、みなさんに知っていただく発信を続けたいと思います。


フェムテックや動物愛護など、多岐にわたってご活躍される丸田さん
これからの発信・活動が益々楽しみです



取材・執筆:Mailer



名称
くじゃく薬局
所在地

〒895-0061

鹿児島県薩摩川内市御陵下町20−20

電話番号
0996-22-0160
営業時間
8:30~18:00(水・土8:30~14:00)
定休日
日・祝日

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