「町を愛する想いが循環する まちづくりを」堀之内酒店 堀之内 力三さん
NEW
今回は、さつま町にあります「堀之内酒店」店主、堀之内力三さんへお話を伺いました。
堀之内酒店(株式会社 堀之内俊雄商店)
三代目 堀之内 力三さん
薩摩のさつまブランド推進協議会 幹事長
元々は、養蚕の製糸工場を営まれていた
その後、祖父の代で焼き鳥屋と酒屋を創業
当時、レスリングに力を入れていた力三さんが、さつま町へ戻り三代目へ
現在は、県内はもとより海外からも、ストーリーのあるお酒を求め来店されている
挫折。
店内へ入ると、笑顔でお出迎えくださった堀之内さん。
レジ近くには”お惣菜”が並び、店内中央にはお酒のおとも(お酒が無くても食べてしまう!)バラエティー豊かな、おつまみ。
三代目になられてからのお話と、これまでの歴史についてお伺いしました。
父の病気が分かり、家業を継ごうと決心してから、実はほぼ挫折の連続でした。
当時、焼酎ブームがピークを過ぎようとしていた中で、正直うちの酒屋は乗り遅れていた状況で。では、自分ができることは何なんだろうと。
そして、同級生の蔵元「小牧醸造」に相談し、一から勉強をさせていただくことになりました。
まずは、売上を立てないとと思い、売れているお酒を販売しようと蔵元へ取引のお願いに伺いましたが、ほぼ門前払いで。
しかし、勉強をしていく中で多くのことを学び、とても大切なことに気づくことができたんです。
三代目になられてから、約20年。
さつま町の顔となりつつある堀之内さんですが、この挫折のご経験が無ければ今はなかったと。
お酒の瓶に貼られた「ラベルの奥にあるストーリー」を知り、芋やお米の農家さん・ラベル屋さんに瓶屋さん。そして蔵元の方々の想いを知ったとき、いつも飲んでいる同じ焼酎が、とてもおいしく感じたんです。
自分にしかできない酒屋さんをつくる
鹿児島市内で酒屋さんを営まれている先輩より、ハッとするようなお言葉をいただいたそうです。
「さつま町には、川内川も流れていて、その流域には美味しいものや温泉もある。その魅力を焼酎と結び付けて、発信する。君にしかできない、酒屋さんができるんじゃないか?」と。
この言葉をいただいたとき、いかに自分が地域を知っているようで、知ろうとしていなかったか・・・気づきました。
それからは、地域の農家さんとイベントをしたり、まちゼミ(さつま町で行っている)で「お湯割りの美味しい入れ方講座」を開いたりと、自分にしかできないことにチャレンジしました。
そして、お話を伺いながら聞き入ってしまった「19歳の焼酎プロジェクト」。
ここでも、素敵なお話をしてくださいました。
成人式のあとに飲む焼酎を、芋から自分たちで作ろう!というプロジェクトです。
芋の選定から、ラベルの作成。そして、来年度の子どもたちのために芋を植えるところまで行います。
芋掘りでは、地域の小学生たちも一緒に協力してくれ、地域の人たちとワイワイしながら、楽しみながら行っています。
一番うれしかったことが、”お湯割りの美味しい入れ方講座”をした時のこと。その子が家に帰った際、お父さんに入れ方を教えてくれたようで。
後日、お父さんが「子どもが話をしてくれるようになって、嬉しかった」と、わざわざご来店下さったんです。
当初は描かれていなかった「つながりを生む」ことが、こういった経験を基に派生していく。堀之内さんが行動されたからこそ起こった、ウェーブだと感じました。
みんなで足並み揃え、支え合う。
もう一つのお仕事が「薩摩のさつま」で幹事長を務められていること。
さつま町は、豊かな大自然の中で作られた農畜産物や加工品がとても有名です。薩摩のさつまでの活動も、地域の生産者さんを始め、みなさんの想いがあふれる内容ばかりでした。
現在、発足して5年が経過しようとしています。
今でこそ、たくさんの皆さんのお陰で運営できておりますが、発足当初は自分たちの想いをカタチにすることの大変さを、全員が体感しました。
しかし、奇跡的な出会いで協力して下さる方が増え、一番大切な基礎「みんなで足並み揃えて、支え合っていこう」を全員で築くことができたそうです。
農水省から出向されていた方を中心に、地域おこし協力隊の青崎さんや地域の農家さんたち。そして、現在も発進部として大きなチカラを発揮してくれているみなさんで、今の状況がようやくできてきました。
こちらでも、ストーリー(背景)を大切にしておりますので、ホームページでは生産者の方々の背景を知っていただき、一番最後に商品が購入できるような構成となっております。
そして、先日も東京で開催されました「さつまナイト」が大変ご好評をいただいており。
県人会の方々や、東京にお住いのさつま町出身の方々が、同窓会の様に集われている。そして、さつま町とこれまでご縁のなかった方も、多くお越しいただいてます。
場所が違っても、町を愛するみなさんの想いが伝わってきます。
愛着。そして、町に誇りを持つ
さいごに、これからの展望についてお伺いしました。
酒屋に関しては、壮大な夢ですが「堀之内酒店が、観光地になると良いな」と考えています。
それには、もちろん自身もさらに勉強を重ねていきたいな・・・と意気込みはあります!
そして、薩摩のさつまを通して、さつま町に愛着を持ってほしいと思ってます。
例えば、農畜産物以外でも町の景観などでも「町を愛する想いが根底にある」ブランディングが出来れば、更に住んでいる町民の方々も、来町くださった方々も、より、さつま町を好きになっていただけるのかと。
最終的には、愛着を持っていただいた町民の方々が誇りをもつ。このつながりが、次世代へと循環するつながりが生まれると良いなと考えています。
これからも進み続ける、堀之内さんの動向から・・・目が離せません!
取材・執筆:Mailer
- 名称
- 堀之内酒店(株式会社 堀之内俊雄商店)
この記事から近いスポット
近くの記事はありませんでした。